ガラスを割れ!のMVの再生回数がエグいことになってますね。これ、坂道史上最大なんじゃないですか。
というわけで(どういうわけで?)、最近やってなかったMV歌詞意味考察します。結論。ガラスを割れ!MVの意味…
てちがいない
ガラスを割れ!MVの3つの世界
さて、まずここから。このMVは3つの世界があります。
- テレビ画面の中のてちの世界(以降、テレビてち)
- テレビぶっ飛ばしたてちの世界(蹴りてち)
- 皆で踊ってるてちの世界(ダンスてち)
ネーミングセンスのダサさは置いといて、まずこの3つがあると。で、テレビてちは分かりやすい。
これは傷ついて倒れこんでるてちですね。倒れこんで、過呼吸。むむ。紅白を連想せずにはいられません。
テレビ画面を蹴り飛ばす意味
で、このテレビてちを蹴り飛ばすのが、蹴りてちです。物凄い形相でテレビの画面を蹴り飛ばしてます。
テレビ画面を蹴り飛ばす意味は色々と解釈ができますが、あれは飼いならされた自分の醜さ、憐れさを直視できなくて、蹴り飛ばしたと思われます。
で、さらに言うと、これが紅白の過呼吸を想定してるなら、この醜態をテレビ電波で放映されたことに対する怒り…もあるかもですね。
大人の言うことばかり聞いていて、自分が分からなくなって醜態をさらし、しかもそれが電波に乗ったと。
あのテレビを蹴るのは誰かに対しての怒りじゃなくて、自分自身の不甲斐なさ、ダサさ、脆さ、弱さ、そういうものに対する怒りなんでしょう。
ガラスを割れ!って、何を割るのか?
ほんで、蹴りてちがテレビを蹴り倒したら、仲間とダンスでやってくぜ!ハッピーだぜ!祭りだぜ!…ってなったらいいんですが、そう簡単に行かないのが欅坂46ってもんです。
このMVは良く見ると、てちと仲間の物語…の様子を見せておきながら、実はこのメンバーは完全に仲間とは言い難いです。前半は仲間とてちは一緒に踊ってます。これが3つ目のダンスてちと想定。
が、時おりてちは一人なんですね。これは先ほどの蹴りてちの世界です。で、なんか途中カメラワークブレブレになりますよね。あれもなんなのか。
わけわからんくなってきましたね。おさらい。
- 蹴りてち=一人でダンスしてるてち
- ダンスてち=メンバーと一緒に映って踊ってるてち
こういう理解でOKかと。
ででで、2:40あたりからのダンスてち。ここではてちが真ん中で、皆に攻め立てられるような感じですね。そんでまたあの意味深な旗。緑と紫って、欅坂と乃木坂ですよね。
で、2:53あたりでぶわっ!っと一人のてち世界に戻ってきます。
MA-1ジャケットのリバーシブル考察
ちょっと話ズラしちゃいますが、メンバーが着ている衣装、ジャケットはMA-1(エムエーワン)で、ファッションアイテムとしてポピュラーですが、元々はアメリカ空軍のジャケットです。
で、最大の特徴はリバーシブルなんですね。内側が色付きの派手な色になってます。
この「ガラスを割れ!」MVでは、てちだけずっとMA-1ジャケットの派手な方の色、赤色ですよね。
MA-1のジャケットの内側が派手な色な理由は、災害時に発見しやすくするためのエマージェンシーって意味があります。
エマージェンシー=緊急事態
です。
てちは一人
仲間と一緒にダンスしているようで、これ、実はずっとてちは一人なんです。緊急事態なんです。
このMV、2:53あたりのぶわっと一人てちに戻ってくるところを境目に分かれています。前半はサイマジョを彷彿とさせるような振りもあり、皆とダンスしてる。
これは欅坂46の平手友梨奈という一人の人間が、組織の中で踊っているにすぎないと。2:40あたりからの攻め立てられる感じがすごい。乃木坂・欅坂周りの大人たちにも、メンバーからすらも詰め寄られるてち。
ガラスの自分を演じるのか、ガラスを割って自分の意志で生きるのか?
ここは、坂道グループは誰に依存しているんだ!?というなかなか象徴的なシーンだと勝手に捉えております。
つまり…
ずっとエマージェンシーのてちに、さらに自分の意志を問いかける。
基本的に欅坂46のメッセージ性の強い歌は、人の意志を確かめています。
おまえはどうする?
っていう。緊急事態の極限状態まで陥ったてちが出した答えはがつまり…
テレビ画面を蹴り割る=ガラスを割る
もっと言うと過去との決別です。
もう、大人の犬にはならんぞと。
その自由意志に呼応するように、メンバーの顔も最後の方は生き生きとしているように見えます。
てちがいない マイクスタンド
あ、それで2:17あたりで、誰もいないマイクスタンドが置いてあります。
これ、てちの分だとすると、てちがいない欅坂46を暗示しているようで、とても興味深いっす。
結論。
結局てちがいないと、2:00あたりからのてち不在メンバーのシーンのように、カメラワークぶれぶれになります。
なんか縦横逆になってたりします。
てちがいないと安定しないんです。
だから、嫌でもてちにはガラスを割ってもらわないと困るという、それはそれでどうなんだという問題作が「ガラスを割れ!」という作品ですというところで閉店。